休学中の記録

水芭蕉満開の尾瀬

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梅雨入り前の6月上旬、両親と妻と一緒に尾瀬に行ってきた。

ダケカンバの新緑と深緑色のオオシラビソからなる針広混交林に囲まれた湿原は、白色の水芭蕉、黄色のリュウキンカ、薄紫色のタテヤマリンドウと桜色のタカネザクラに彩られており、郭公や鶯などの鳥が春を謳歌していた。日曜日と平日の木道には人が少なく、時間によっては広い湿原を半ば独占しながら歩くことができたのでとても気持ちが良かった。そして何よりも、天気に恵まれる中、両親と妻と一緒に散策することができたのが嬉しかった。

今回は1日目に檜枝岐村に入り、2日目は沼山峠から尾瀬沼を散策、3日目には尾瀬ヶ原から三条の滝方面を歩き、4日目に裏燧林道を通って御池の登山口まで戻った。

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北朝鮮全土の地形図を閲覧できるサービスが台湾中央研究院によって整備されていた

 以前、北朝鮮における登山について上記の記事を書いた。当時大学4年生であった僕は、来るべき社会人生活や卒業論文執筆から目を背けるように大学図書館にあった日本統治時代の北朝鮮(当時は「北鮮」と呼ばれていた)の登山資料を読み漁り、時の流れに逆らいながら小さな夢を膨らませていた。

 ただ当時、朝鮮の山に関しては地図資料がなかなか見つからなかったため、書籍から見る概念図や文章からイメージを膨らませることはできても、実際に地図上に登山ルートを引き具体的な計画を描くまでは至らなかった。

 ところが最近、何と台湾の中央研究院が、北朝鮮のほぼ全土の地形図(日本統治時代発行)を閲覧できるサービスを開始していることに気が付いた。以前から自分が保有している登山記録を地形図と照らし合わせて見ると、一気に計画が具体味を帯びてきて、とても嬉しくなった。

 今後北朝鮮の登山計画を実現させるためには、米朝首脳会談を機に雪解けが進み北朝鮮への自由旅行が解禁されるのを待つのみ(?)なので、機会を虎視眈々と狙いたい。

 さて本題に戻って使い方を以下に説明しておく。

使い方

① ↓のリンクをクリック。

中央研究院人社中心地理資訊科學專題研究中心

② 地図を選択

初期画面はソウルの地図が表示される。左のメニューバーの「図階」で表示される地図を選ぶことができるので、『日治時期北朝鮮五萬分一地形圖』を選択。

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選択後、地図の表示範囲をソウルから北朝鮮に移動させる。下図の通り、数箇所空白範囲があるが、ほぼ全土の地形図が閲覧できるのが見て取れるだろう。

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③ 自分の見たい場所を拡大してみる

まずは景勝地として名高い金剛山から。

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山麓には寺院がたくさんあり、金剛山電気鉄道が整備され、ソウル(京城)からも気軽に観光に行けたことが見て取れる。

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金剛山は1930年代、朝鮮総督府鉄道局・ジャパンツーリストビューロー・金剛山電気鉄道が手を組んで、避暑に来る外国人等の観光客誘致を推進していた。70年後の2000年代には南北朝鮮交流の象徴となり再び脚光を浴びるようになるも、2008年の事件を契機に再びアクセスすることが困難になった。

さて、次は朝鮮半島第二の高峰である冠帽峰の地形図を拡大してみる。圏谷地形や高山植物帯を持つ冠帽峰に関する紹介は先の記事を参照いただくとして、早速地形を観察してみよう。

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地図を表示させる際には透過率を変えることができる。基層地図はgooglemapになっており、透過率を100%に設定するとgooglemapのみが表示され、逆に0%に設定すると選択中の地図(この場合、北朝鮮の地形図)のみが表示される。その間に1%~99%まで、様々な透過率で2つの地図を重ね合わせて見ることができる。上図はgoogleの衛星地図を背景にして少し立体感を出したもの。

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さて、さらにイメージを膨らませるために別途google earthで冠帽峰の地形を観察してみる。残念ながら、台湾中央研究院のサイトから直接google earthの表示はできないので、別途google earth を開き同じ場所を表示させてみる。

上の画像はgoogle earthで北東側から望んだもの。山頂直下から手前側に氷食谷が走っているように見える。。

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こちらはgoogle earthで北西側から冠帽峰を眺めたもの。画面右方の鞍部から広いU字形の谷が手前方向に走っているが、これが圏谷地形だろうか。

半島の山と風景

半島の山と風景

 

 それにしても台湾中央研究院の仕事には頭がさがる思いだ。自国のものでも何でもない日本統治時代の朝鮮の地形図閲覧サービスを整備することに予算を使える台湾政府の懐の深さには少し驚きである。

 登山に限らず、例えば戦前期の朝鮮研究を行う日本人研究者等にとっても有用なサービスだと思われるので、台湾中央研究院のgood jobに敬意を表してここに広く一般に共有しておく。

写真集 北朝鮮の山

写真集 北朝鮮の山

 

 

インバウンド統計を地図上に可視化してみた(宿泊旅行統計・欧州編)

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日本の都道府県ごと、外国人の国籍ごとにインバウンドの訪問傾向を分析する企画の第3弾。第1回の東アジア編、第2回の東南アジア編に続いて欧州からの訪日観光客についてまとめてみた。

可視化にあたっての考え方は下記の記事を参照のこと。

それではさっそく本題に入る。

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那須の温泉山行(三斗小屋温泉~坊主沼避難小屋~甲子温泉)

 4年前の初秋、八幡平の葛根田川~大深沢の沢旅を終えた僕は、JR東日本・北海道パスを使って東北地方を鉄道旅行した。最終日の朝、名残惜しさを抱えながら東京に戻る車窓の中で、ひと際目立った山塊があった。当時はそれが安達太良なのか、日光なのか、はたまた他の山並みなのかよくわかっていなかったのだが、立派な山並みについカメラを向けた。

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 今更ではあるが、最近ふと写真を見返していて、これが南月山ー茶臼岳ー朝日岳ー三本槍岳へと続く那須の山並みであることに気づいた。那須連山は、地質学的には東北の脊梁山脈を成す奥羽山脈の南端にあたるらしい。「東北」が終わりを迎え、「関東」へと推移していく風景の最後を飾る山並みは当時ひと際印象に残っており、それをようやく同定できたことに嬉しさを感じた。

 そんなきっかけもあり、今年のGW前半は那須の山に登りに行くことにした。残雪の山を歩くのは気持ちが良いし、まだ空気がひんやりしているこの季節に温泉に入るのも格別である。そして久しぶりに東北の入り口の空気を感じに行くのは魅力的なプランに思えた。

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新宿御苑の桜

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東京は桜の名所が多い。

2012年の春、初めて東京に出てきた僕は日本武道館で行われた大学の入学式に参加した。「タフでグローバルであること」という総長の話があった以外入学式で何があったのかは正直あまり覚えていないけれど、その日武道館を出てから見た千鳥ヶ淵靖国神社の満開の桜がこれまで自分が見てきた桜の中で群を抜いて綺麗だったのは今でもよく覚えている。

2012年的春天,我開始了在東京的生活。剛搬到東京沒幾天的4月9號,大學的入學典禮在皇居旁的日本武道館舉行,而櫻花在那幾天也恰巧進入了盛開季。我幾乎都忘記在典禮裏誰上台講了什麽話,但唯一令我印象非常深刻的是,中午時刻典禮結束之後從武道館走出來、眼前展開的是非常漂亮的一片櫻花樹。那就是千鳥淵(皇居的護城河)和靖國神社的櫻花。那時候母親還很健康,以無邊無垠的櫻花為背景,幫我這個新生拍了許多照片。

大学生の時は、生活圏が近い関係でよく上野公園に出かけた。本郷や根津に住んでいた当時、普段は面倒臭がって近くの「赤札堂」で買い物をすます僕も、春の桜の時期だけは不忍池の畔を通りたいがためによく湯島の業務スーパーまで買い物に行ったものだった。買い物袋を自転車のハンドルに下げながら公園内の桜のトンネルを歩き、清水観音堂を通り過ぎ、国立博物館正面の噴水で一服。そして最後は谷中のカヤバコーヒーのあたりまで自転車を走らせて満足して家に戻ってくるような、そんな生活が今となっては懐かしい。

大學時期,因爲住在附近的關係,我常常到上野公園閑逛。懶動的我通常在離家最近的超市買每天的食物。雖然那邊有點貴,但能夠省下不少麻煩。然而,到了櫻花季我有時侯特地騎車去湯島的業務超市買東西,因為這樣可以經過上野公園的不忍池,欣賞春天的風光。每次在業務超市買好一堆食物之後, 我把裝滿的塑膠袋挂在腳踏車手把,推著車走過上野公園中間的櫻花大道。沿途可以欣賞隱約在樹林間的清水觀音堂,再到東京國立博物館前面的噴水處休息一番,然後再騎車經過谷中的百年咖啡店-cayaba coffee回家。我曾經很喜歡這樣的生活。

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昨年から働くようになって、もう桜を愛でる暇なんてないのかなと思っていたら、どうもそんなことは無かったようだ。やっぱり春の時期暖かくなると気分もうきうきするもので、今年は天気の良い日に時間休を2時間取って新宿御苑へ花見に行くことにした。1時間の昼休みに2時間の時間休を加えると合計3時間の休みが取れるのだ。とはいえ移動の時間もあるし、何しろ想像をはるかに超えて広大な敷地を持つ新宿御苑なので、ついついあっちも見ようこっちも見ようとしてしまい慌ただしい花見になってしまったのは否めない。それでも御苑前の駅で嫁と合流し、桜の木の下で一緒にシートを敷いてお弁当を食べた時間は、小さいけれども確かな幸せを感じることができる瞬間だった。

今年東京的冬天是半個世紀來最冷的一個冬天,連續好幾天的早晨都是零下低溫。每天最痛苦的是早上聽到鬧鐘響的時候。到了再不爬起來就要遲到的最後一刻,只好硬著頭皮起來快速穿起西裝刮點鬍子,發抖著衝出門上班。 而今春天也來得特別早,似乎從2月中一口氣跳到4月,讓我有點適應不過來。

所謂「三寒四溫」是日本春天的特色,但今年的嚴冬之後接踵而來的是100%的春天。櫻花大概也被溫差嚇到了,比平常年早開了兩個禮拜,很多人包括我也因此改變了春遊計畫。三月底的有一天,我中午請了兩個小時的假,到公司附近的新宿御苑賞花。難得抽三個小時(兩個小時+原本的中午休息時間)出來,原本想要放慢脚步盡情地欣賞櫻花,但看到小冊子裡面介紹說園區裡面共有65種1000顆的櫻花樹,貪心的我便不知不覺中開始了走馬觀花。但鋪好野餐墊看著櫻花吃便當的那一刻,在時間悠閒的流逝中,我感覺到了一種”小確幸”。

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