休学中の記録

ホーチミンのコロニアル建築とグルメ

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思えば自分がホーチミンという都市の名前を初めて知ったのは高校生の時、図書館で「バックパッカーズ読本」を手に取った時だったと思う。ホーチミンの「デタム通り」は、バンコクの「カオサン通り」と並んで東南アジアの中でバックパッカーが集まる2大拠点として紹介されていて、エネルギーに満ちたその街をいつか訪れたいと思っていたが、その後10年間機会がなかった。

最新改訂版 バックパッカーズ読本

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そんな中、今年になってホーチミンに出張の用事ができた。ビジネストラベラーなので、デタム通りに宿を取って泥臭く、とはいかず、1区中心部の目抜き通りであるドンコイ通りに宿を取って仕事の合間に街を歩き回った。

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朝起きて散歩すると、ひときわ目立つ建築があった。20世紀初頭に作られたサイゴン市庁舎を引き継いだホーチミン人民委員会庁舎は、熱帯の青空の下でひときわ映える。

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ホーチミン中央郵便局は何となくシベリア鉄道の駅舎を思わせるような雰囲気の建築だ。現役の郵便局なのでここから郵便物を送ることができるし、良心的な値段のお土産屋が併設されていて欲しいお土産はだいたい手に入る。ここでポストカードを書いて投函し、ベトナム柄のショットグラスを買ってお土産にした。

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ネオ・ゴシック様式サイゴン大教会。教会の正面はロータリー状の広場になっていて、夜になると若者が集まって思い思いの場所に腰を下ろし、おしゃべりに興じる。夜にこの場所でBia Saigon片手に、ホーチミンの風に吹かれるのも悪くないだろう。

人民委員会庁舎、サイゴン大教会、中央郵便局の他にも、市民劇場(オペラハウス)など1区の徒歩圏にフランス統治時代の建築が集中しており、朝の散歩にはちょうど良い。

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今回宿泊したホテルはHuongsen Hotel。一日目はエアコンからの水漏れがひどかったので、フロントに連絡するとすぐに対応してくれた。しかし、おかげで到着早々睡眠時間を削られてしまった。そして最上階のプールはまるで浴槽のように小さなもので、残念ながらここに入る気にはならなかった。

一点良かったのはルーフトップで食べる朝食だ。フランスパンにサラダを合わせ、オムレツを焼いてもらい、果物とヨーグルトを食べて、ゆっくり珈琲と蓮茶を飲む。周囲でバイクのクラクション音が響くのを聞きながら、優雅な朝食が楽しめる。

お茶をおかわりしながら、来るべきミーティングに備えて資料を確認しなおした。

Huongsen Hotel Ho Chi Minh City

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午前中の会議が長引いたので、昼食をとりながら会議を続行。とはいえ食欲をそそるタレが運びこまれるとなかなか集中できない。

右上の塩、黒胡椒にライムの組み合わせは鶏を食べる時に良く使う。カリカリのCánh Gà Chiên Nước Mắm(鶏手羽先の魚醤唐揚げ ※Cánh=翼、Gà=鶏、Chiên=揚げる、Nước Mắm=ニョクマム(魚醤))を絡めて食べると最高だが、議事録を取るのに気を取られて本体を撮るのを忘れていた。。

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Gỏi sen tôm thịt(蓮の葉とエビ、豚肉のサラダ ※ Gỏi= サラダ sen=蓮 tôm=えび thịt=肉)。ナッツとフライドオニオン、唐辛子が乗って適度に香ばしさも入る。サラダが蓮なら飲み物も蓮のお茶。ベトナムでは蓮のお茶を良く飲み、少し苦味のある味だが暑さが和らいで爽やかな気分。

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定番のGỏi cuốn(生春巻き)は文句無しにおいしい。あとは揚げ春巻きも食べて、〆に土鍋の炊き込みご飯。会議のシリアスさとは裏腹に食事はとても良かった。

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午後の予定をこなして、夜はベンタイン市場近くの食堂で食べる。gỏi hoa chuối chay(バナナの花と豆腐のサラダ ※gỏi=サラダ、hoa=花、chuối=バナナ)を前菜に、Bia Saigon。ベトナムはサラダがおいしくて健康的なのが嬉しい。ビールも軽やかな飲み口で気候に良く合う。

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2本目はキャラメルポークを肴に、中部で良く飲まれるというLarue Beer。

2年半前、卒業を目前にして友人とハノイを旅行したのが懐かしく思い出される。朝からビール漬けで名所旧跡をはしごしたあの時。

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〆に定番のphở bò(牛肉フォー)を食べてからGrabでタクシーを捕まえてホテルの近辺まで戻る。初めてベトナムに行った2年半前は到着早々にタクシーにぼられたが、Grabを使える今は全くその心配がない。乗車前に支払い金額がわかる明瞭会計で通常タクシーより安いし、近くのドライバーを好きな時に呼ぶことができる。随分便利な時代になったし、テクノロジーが人々の生活や考え方を変えるというのはまさにこういうことなんだろうな。東南アジア旅行にはいつの間にか欠かせないツールになった。

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人民委員会庁舎は夜になるとライトアップされる。後ろにはVinocon Towerという大きなショッピングモール。途切れることのないバイクの波が、コロニアル建築と現代の高層ビルの間を縫って道路を埋め尽くす。

f:id:toyojapan1:20190824235824j:image一区は市民劇場、コロニアルホテル、人民委員会庁舎などがライトアップされて夜の景色がとても綺麗だ。写真は1880年から長い歴史を紡いできたホテルコンチネンタルサイゴン

翌日のイベントも無事終了し、次なる目的地に向かった。