休学中の記録

青森・秋田の紅葉と温泉を駆け足で巡った2019年秋

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もう1ヶ月以上前の話になるが、台湾からやってきた友人カップル2人と妻と私の4人で東北の温泉と紅葉を巡る旅行に出かけた。10月下旬の東北はもうかなり冷え込んでいて、街中では除雪車が既に出庫して準備を整えていたし、1日目、雨の日の青森の街は寒々としていた。けれども2日目以降は天気に恵まれ、小春日和の中鮮やかな紅葉を見ることができた。

10月19日

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1日目は雨だったので、室内の観光を中心にした。まずは五所川原の「立佞武多の館」。4階から1階まで建物の壁沿いに螺旋状のスロープが設けられており、実際にお祭りで使われるねぶたを様々な高さ・角度から見ることができる。

立佞武多は垂直にそそり立つ高さが特徴だ。まず木や針金で骨組みを作った後に和紙を一枠一枠丹念に張り、そして丁寧に色付けがされる。地道な作業を重ねて、高さが20m、30mにもなるこの巨大なねぶたが完成させることを考えると気が遠くなりそうだ。館内ではねぶたの歴史が映像で紹介される。明治時代の巨大ねぶたが電線の普及に伴って小型化していく歴史。そしてそれを現代にまた新たに復活させた人々の熱意。

その後弘前でアップルパイを食べ、弘前食料品市場「虹のマート」に行って「イカメンチ」を探したが売られていなかったので「三忠食堂」でラーメン。

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出汁は津軽の焼き干しを使っていて旨味が凝縮されている。4人で行って2碗しか頼まなかったけれど、快く受け入れてくれたのも良かった。

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青森市内に帰って、「一八寿し」でお寿司。注文してから提供に30~40分かかったので手持ち無沙汰な時間がとても長く感じたのだが、寿司は間違いなく美味しかった。

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10月20日

2日目は早朝出発で八甲田へドライブ。まずは酸ヶ湯に日帰り入浴をした。混浴だが、脱衣場はもちろん浴場の入り口は壁で女性と男性が分けられているので、湯舟に入る前に露出してしまう危険性がない。白濁色なので入ってしまえば抵抗感はないし、今回の友人カップルも無事入れて良かった。

千人風呂は、総ヒバ造りの浴場に朝の光が差し込まれていて、抜群の雰囲気だった。

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酸ヶ湯のすぐ近くの地獄沼の付近が紅葉の最盛期。

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標高1000mほどの睡蓮沼に行くと針葉樹も増え、紅葉も最盛期を過ぎていた。

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十和田の集落まで降りてきて、牛バラ焼き定食を4人で頼む。

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鉄板の上に豪快に盛られた玉ねぎと牛バラ肉を豪快に焼いた後に甘辛いタレと卵にからめてご飯と食べる。

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食事後は奥入瀬渓谷を歩く。渓流と森林は確かに綺麗だが、遊歩道が車道のすぐそばで歩きにくく、観光バスや車がひっきりなしに通り過ぎて排気を浴びせられるので少し残念な感じだった。時期にもよるのだろうが車の通行は規制した方が良いと思う。

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ゴールは十和田湖。夕暮れ時の子ノ口の湖畔は秘境感があった。

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10月21日

十和田湖は湖だけでなく周りの森が豊かで散策するのが気持ちいい。宇樽部キャンプ場から朝起きて散歩をする。実は旅行後すぐに出張が迫っていたが来るプレゼンの準備が全然できていなかったので、人のいない所を探して一人練習に励んだ。思いがけず少し山道に入ると湖畔の倒木にはたくさんのキノコに出会うことができた。

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ブナハリダケ Mycoleptodonoides aitchisonii

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ツキヨタケ Omphalotus japonicus

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展望台は「瞰湖台」と「発荷峠展望台」の2つを訪れたが、特に「瞰湖台」がお勧めで、湖との距離が近く、十和田湖を見下ろす時に人工的構造物が目に入らない。真っ青で穏やかな十和田湖の湖水にただ一艘のカヌーが浮かんでいて、こんな綺麗な湖を独占できるなんて羨ましいなぁと思った。

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大館に寄り道して比内地鶏を食べたが、大館の街のさびれ具合が印象に残った。昭和がそのまま残っているアーケードの街並み。

その後八幡平の山麓にある大沼探索路を歩いてこの日は終わった。

10月22日

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宿泊した後生掛温泉は期待以上に本物の湯治場の雰囲気を感じられたのが良かった。オンドル部屋に泊まると暖房は全く必要のない暖かさで、飾り気は無いが年月を重ねた浴場にはなみなみと豊富なお湯が注がれている。共用の調理スペースではきのこを滅菌しているおじさんと仲良くなって山麓の鹿角の話をいっぱい教えてもらったし、その後しょっつる鍋を作ろうとハタハタの処理に格闘している自分にお節介でさばき方を教えてくれたのも思い出になった。

翌朝は地熱で蒸気があちこちで噴出している後生掛自然探求路を歩いた。

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荷物をまとめて後生掛温泉から乳頭温泉に向かう。沿線の紅葉は最盛期だった。台湾からはるばる東北に来て、ちょうど紅葉の最盛期にぶつかった2人が仲良く楽しそうに眼下の風景を楽しんでいるのを見て、羨ましいなぁと思った。素晴らしいひと時に違いない。

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特に黒湯温泉周辺のブナ林の色づきは見事だった。

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夕日が紅葉を照らすと、ブナ林の黄葉が一層鮮やかに燃え上がるような色を見せた。後ろ足を引かれるような思いでバスに乗って田沢湖駅まで向かった。簡単に夕食を済ませ、大曲から東京まで夜行バスに乗ってから翌朝そのまま大阪出張に向かった。