休学中の記録

東南アジアへのハラル和牛輸出が増加中

イスラム教の戒律に沿って処理したと認められた「ハラル認証」を得た和牛の人気が伸びている。国産牛特有の柔らかい食味が好評で、東南アジアや中東のイスラム諸国への輸出は2017年に過去最高になった。増加する訪日観光客向けに国内の飲食店がメニューに加えるケースも目立つ。Global Meat Newsが報じた。

 マレーシア、インドネシアからの訪日観光客数は大きな伸びを示している。

2018年1年間の両国からの訪日客数はそれぞれ46,8360人(2011年比+541%)、396,852人(2011年比+475%)であった。両国からの訪日旅行需要は、現状では比較的富裕層である中華系旅行者が多くなっているが、人口の大多数を占めるムスリムについても潜在市場として熱視線が注がれている。

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近年急成長を遂げる訪日インドネシア人、訪日マレーシア人。

ところが、ご存じの通りムスリムの受け入れを行う際に問題となるのが食事である。「No Pork」に事前に注意をしたつもりであっても、「野菜サラダ」の上にベーコンチップがかかっている、ゼリーの原料がゼラチンになっている、串カツの具は野菜だが油にラードが使われている、等々思わぬところに罠は潜んでいるものである。特にマレーシアのムスリムインドネシアより比較的戒律に厳しい傾向にあると言われる。彼らの中には最近、食事面で安全安心な滞在を行うため、モスク近くの民泊などに宿を構え、備え付きのキッチンで自炊をするという人も多いらしいと聞く。比較的緩い人であれば料理の見た目さえ「No pork No alcohol」であれば良いが、厳しければ「豚でなく牛であれば良い」という次元にとどまらず、牛肉の中でも殺傷から流通まで戒律に則った「ハラル牛肉」である必要である。

 そこで最近注目されているのが「ハラル和牛」である。最近畜産業者の中にはハラル認証を取得して東南アジア・中東諸国へ和牛の輸出をする企業が出現している。

例えば熊本県の「ゼンカイミート」という企業は、マレーシア政府のハラル認証を取得し、同国への牛肉輸出を開始している。また、徳島県と宮崎県にファームを持つ「西阿波ファーム」もハラル和牛の飼育を行う。農水省の情報によると、こうした企業は現在日本国内に6社あるという。

マレーシアでは2017年に、それまで7年間にわたって継続されていた日本産牛肉の輸入禁止措置を解除した。インドネシアでも同年に輸入制限が解除されている。両国では可処分所得が増えるにしたがって、「ハラル和牛」には大きな商機が到来しつつある。訪日客の増加→日本食の人気→日本産農畜産物の輸出拡大という流れができることは農水省としても期待するところだろう。

ハラル和牛のすき焼き、ハラル和牛の焼肉がムスリムの富裕層に人気を博すようになるのだろうか。今後の流れに注目したい。