休学中の記録

日本で過ごす春節(我が家の年夜飯)

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今年、我が家では年初の選挙期間の台湾滞在を優先した結果、春節の台湾帰省が叶わなかった。「生まれてこの方台湾以外で春節を過ごしたことがない」という妻にとって、やはり初めて家族と離れて過ごす春節は寂しかったらしい。

何せ春節の時期は本来家族が一同に会し、みんなでわいわいとお喋りを楽しみながら「年夜飯(年菜)」と呼ばれるごちそうを食べたり麻雀をしたりするのが習慣なのだ。

しかしそんな時だからこそ自分一人で「年夜飯」を作るのだと気合が入ったらしい。午後からスーパーへ食材を買い出しに向かい、10種類の料理を超スピードで作り上げ、僕が仕事を終えて家に帰ったころには部屋中に良い匂いが充満していた。得意気な顔をして迎えてくれた妻を見て、すごいなぁと思った。

日本のおせち料理と同じで、台湾の「年夜飯」の食材や料理にはそれぞれ意味が込められていて面白い。以下に一つ一つ紹介しよう。

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今年, 我們在選舉期間回去台灣投票。爲了行使這個可貴的權利,老婆把一年的有薪假都用完,無法再請假回台灣過年。我本來沒有特別把這件事情放在心上,安慰她説:「有老公在身邊就不寂寞啊」。不過後來得知,今年竟是她出生以來第一次在國外過的春節

在日本,我們完全沒有過農曆新年的習俗,除非去橫濱中華街,否則都感受不到那個喜氣洋洋的過年氣氛。而且今年過年的前幾天,剛好迎來二十四節氣裡面的「大寒」, 也就是一年裡面氣溫最低的時節。街頭只有冷風吹過,根本感覺不到春天的氣息。

想到這裡,我也才體會到了老婆的寂寞。我不得不承認,老公只有一個人無法彌補全家人團聚的溫暖。我只好跟她說:「我們跟家人視訊好好講話吧」。

原本只想說可以一起吃個火鍋,營造一點過年的氣氛。

出乎意料的是,除夕的那一天,老婆決定下午請home office(home office 指在員工可以在家裡舒服的環境之下做事,不過我怎麼都沒有看過她在家認真工作呢),去超市大採購,回來一個人煮一大桌年菜。

在我下班回家的時候,家裡香氣四溢,六七道菜已端上了桌。驚訝的同時我也覺得很開心,雖然老婆還在廚房繼續忙著做剩下的幾道菜,但我忍不住偷吃幾口,邊吃邊欣賞老婆做菜的美麗畫面。

發懶的時光沒有持續很久,老婆看到我在那邊無所事事,就叫我去貼新的春聯,說過年大家要合作做事。沒事做的我,掙扎了一陣子後,還是只好乖乖拿起膠帶跟春聯出門。外面除了很冷之外,還常有大風颳起來,貼好的春聯一直被吹掉,一個人貼起來還蠻困難的。好不容易貼完的時候,發現有一點歪掉,只好全部砍掉重來。

終於貼完進家門的時候,全部的年菜都上桌了。她很興奮地跟我説明每道菜的由來,以及背後象徵的吉祥意義。這時候我真心崇拜她,怎麼有辦法在短短幾個小時內,做出香噴噴的八菜二湯二甜點呢...?老婆爲了我們可以開心地過年,不辭辛勞做出這麽多道菜,而且每一道菜都很用心去做,真的不簡單呢。

這次是老婆第一次煮的年夜飯,所以很有紀念性。我們拍了幾張照片,然後跟台灣的家人視訊。老婆跟她們分享煮了哪些菜,還得意地說媽媽可以退休了,以後女兒來接手就好。我在旁邊默默聽著她開心的聲音,看著她得意的臉,自己也覺得很開心。

香菇雞湯(鶏のスープ)

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「鷄湯」は妻の得意料理だ。鶏は「有頭有尾」、つまり頭から尻尾まであるのが縁起が良いとされ、丸ごと鶏を煮込むのでとても良い出汁が出る。台湾人ご用達の「大同電鍋」に鶏と干しシイタケと紅棗、枸杞、當歸などの材料を入れ、米酒で煮込んで薬膳スープにする。僕は脂が苦手なので、一日冷まし、固化した白い脂の層を取り除いてからいただいている。

我が家ではこれに茹でた素麺を加えて「にゅうめん」にして簡単な昼飯にすることがあるが大好きなメニューだ。

白菜滷(白菜のあんかけ)

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白菜滷。干しエビや椎茸からとても良い味が出る。味付けは醤油とオイスターソース。最後に加えるゴマ油と台湾の黒酢(工研烏醋)が決め味。

工研 工研烏酢(台湾黒酢) 600ml

工研 工研烏酢(台湾黒酢) 600ml

  • メディア: 食品&飲料
 

「白菜」は「百財」と発音が同じなので、縁起担ぎの意味もあるらしい。

白蘿蔔蒟蒻(大根とこんにゃくの煮物)

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大根は中国普通語では「蘿蔔」だが、台湾では「菜頭」 とも呼ばれる。これを「彩頭」、つまり「一年の始まりに良い運気があり、幸先が良いこと」にかけて、縁起が良いものとして年夜飯ではよく食べられている。

台湾では大根餅にすることが多いように思うが、大根餅は一から作ると非常に手間がかかる(そもそも日本では材料となる在来米粉が手に入りにくい)。今回はこんにゃくと一緒に和風の煮物にしてくれた。

獅子頭(肉団子)

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肉団子はその形の通り、家族円満を表している。

韭菜炒肉片(ニラと豚肉の炒め物)

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ニラは中国語で「韭菜」だが、この「韭」の発音は中国語で「久」の字と同じ発音である。そこから家族団欒が「久しく」続くようにという意味が込められて年夜飯ではよく食べられるという。

烏魚子(からすみ)

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台湾のカラスミはとてもおいしい。数の子と同じく「子孫の繁栄」の意味が込められているらしく年菜の定番。

鮟鱇魚鍋(アンコウ鍋)

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中国語で「魚」の発音は、「余」の発音と同じである。毎年「余り=貯蓄」をもって余裕のある生活ができるように、という願いが込めて、年夜飯では魚がよく食べられている。

今年は妻が近くのスーパーで安い魚を物色していたところ、アンコウが安売りされていたらしく、アンコウ鍋になった。本当は鶏と同じで「有頭有尾」つまり一尾丸ごとのものであれば最も縁起が良い。

炒菠菜(ほうれん草の炒め物)

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ほうれん草。本当は「長年菜」と呼ばれる青菜を食べるんだけど....と妻は言っていた。日本ではなかなか手に入りにくいのでほうれん草で代替。

麻婆豆腐

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麻婆豆腐。妻が麻婆豆腐を作り始めた初期のころは、豆板醤の味の主張が強すぎて「豆腐とひき肉の豆板醤和え」みたいな味になっていた。しかしその後隠し味に味噌を加えるなどの改良を経るとコクが出てとてもおいしくなった。お弁当に入っていると食欲をそそるので嬉しい。

滷肉

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滷肉。滷肉飯は台湾の屋台で食べるものもおいしいが、家で食べると肉をしっかり塊で食べることができるのでよりおいしい。

我が家では自家製の油葱酥(紅葱頭を揚げたもの)↓を入れて作るので、香りが立ってとてもおいしい。この油葱酥はとても便利で、キャベツを炒める時に使ったり、少し小腹が空いた時にご飯の上にかけて少し醤油を垂らすととてもおいしいのでお気に入り。

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新年旺旺來!