休学中の記録

旅の思い出:渥美半島のサイクリング

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人間関係に疲れてただ無になりたい時というのは、多分多くの人が経験するのではないかと思います。考えれば考えるほど面倒くさい、そんな負のモードに入ってしまった時に私が良く実践している対処法が自転車を漕ぐことです。

ペダルを漕ぐ毎に雑念が消えていく気がしますし、風を切るように真っすぐな道を走っていると、だんだん前向きな気持ちが生まれてきます。普段は家の近所で良く自転車に乗るのですが、時間があれば遠出してみるとさらに良いですよね。

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さて、私がこれまで自転車で行ったベストな場所は渥美半島の先端部の渥美サイクリングロードでした。サイクリングロード沿いには、伊良湖岬まで真っすぐな砂浜が延々と続いています。途中で休憩し、小高い岩場に座って真っ青な空と海を眺めました。島崎藤村の「椰子の実」が漂着したのはこんな砂浜なのかなぁ、とふと思って、スマホで歌詞を検索して一人で歌いました。周りには誰もいないし、誰の目を気にする必要もないのです。それから道中で買った蜜柑を食べました。爽やかな甘みと酸味が口の中に広がりました。

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再出発すると岬の先端がどんどん近づいてきます。冬の青空と海は、夏よりもクリアで好きなんですよね。心が洗われるようです。

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渥美半島は細長い半島で、自転車で旅をすると半島先端の伊良湖岬灯台というわかりやすくて明確な最終目的地があるのが良いんですよね。どこの道を進もうか、とかあまり複雑なことを考えずに、漕ぎやすいところを真っすぐ漕いでいけば目的地に絶対にたどり着し、着いた時の達成感を味わいやすいのです。

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岬まで来ると風が強くて波も高く、冬の海は濃い鉛色に沈んでいました。

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波の花は冬の日本海でしか見られないのかと思っていたのですが、風が強かったからか、伊良湖岬でもそれに似たものが見られました。この後、伊良湖三重県の鳥羽を結ぶフェリーに乗って関西に渡り、どこだったか公園で野宿して、夜明け前の伊勢神宮に参拝して自分の心を清めました。

最近自転車旅はあまりできていないのですが、またしてみたいですね。私が行ったのは2013年12月のことなので、もう早くも7年が経とうとしています。7年の間に、本当に色んなことがありました。もうあの頃には戻れないですし、あの頃の孤独感にまた戻りたいとも思いませんが、やっぱりちょっと懐かしいような気もします。