休学中の記録

週末伊豆①松崎の町と雲見温泉

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伊豆半島西部に週末旅でよく訪れています。海の景色が楽しめるので、スピッツの「青い車」や「渚」などをBGMに流しながら車を走らせると最高ですし、天気が良ければ海越しに富士山や愛鷹山南アルプスの山並みが見られるので、山好きにも嬉しいところです。

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伊豆半島でこれまで良く立ち寄ってきたのは松崎町です。立派な海鼠壁を持った家が多く、町歩きが楽しいところです。

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松崎では明治期に養蚕業、林業、漁業などで栄え、富を成した人達が防火性に優れた堅牢な海鼠壁の家を競うように建てていったということです。そんな建物が町内にたくさん残っています。

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早春の時期に行くと、雛飾りがとても綺麗です。上写真のものは、自由見学できる明治期の商家・中瀬邸に飾られていたものです。この時期、伊豆では早咲きの河津桜が満開を迎えます。桃色の河津桜と豪華絢爛な雛飾りは伊豆半島の初春を鮮やかに彩ります。

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散歩の合間には「フランボワーズ」でケーキを食べるのがおすすめです。ケーキがおいしいのもそうですが、接客も心地よくて、庭の樹木を眺めながら本を読んだり、ゆっくり時間を過ごせます。

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夕方、日が落ちる前には岩科学校へ向かいました。岩科学校は1880年には竣工されているそうなので、日本各地で見られる擬洋風建築の中でもかなり初期のものになります。まだ明治の教育制度が始まったばかりの時期に、住民の寄付の力で立派な学校を立てたわけですから、この地域はかなり早くから文明開化が進んでいたということなのだと思います。

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さて、夜はいつも雲見温泉に投宿しています。雲見は松崎の町から海岸の少し細い道を進んで2つ~3つくらい浦を越えたところにある素朴な漁村集落です。小さな川沿いに民宿がたくさん立ち並んでいるのですが、多くの場合網元が民宿をやっているようで、とても新鮮な魚を味わうことができます。この日は4人で宿泊したので、とても豪華な船盛りが出ました。

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また別の日に行った時は、オオモンハタなどの船盛りに伊勢海老の刺身が付くプランでした。伊豆はわさびの名産地でもあり、船盛りには生わさびが付いているのも嬉しいです。海鮮をお腹いっぱい食べると、温泉に入って一日が終わります。雲見温泉のお湯は無色透明で少ししょっぱいのが特徴です。

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二人以上で宿泊するなら船盛や豪華な夕食も良いですが、一人で旅をするという場合は松崎のマックスバリュで半額の刺身と手ごろな地酒を漁ってから、宿に帰ってしっぽり飲むというのも一つの選択肢です。

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干物にビールという組み合わせも、個人的に好きな晩酌スタイルです。ビールは特にこだわりがある方ではないのですが、サッポロビールの伊豆ラベル、「静岡麦酒」は見かけたらいつも購入してしまいます。伊豆ラベルは2~3年前までは良く見かけたのですが、最近はあまり見つけられません。一方で「静岡麦酒」の方は今でも熱海駅売店伊東駅からほど近い酒屋などに売っていますので、見かけたら必ず調達するようにしています。

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さて、宿でゆっくり時間を過ごしてから朝遅くまで惰眠を貪るのも良いですが、雲見温泉では頑張って早起きするのがおすすめです。天気が良い日には、海に浮かぶ「牛着岩」越しに富士山が朝日の中に浮かび上がって、それは素晴らしい景色が楽しめます。

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宿に戻ってまた一風呂浴びると朝食の時間になります。複数人で泊ると、前日の刺身にした伊勢海老の味噌汁が付きます。

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またある日の朝は朝食無しのプランだったのですが、静岡塩ラーメンとみかん、そして丹那牛乳というの組み合わせを楽しみました。丹那牛乳は伊豆半島や静岡の県東で販売されているローカル牛乳で、見つけたらいつも購入してしまいます。

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宿を出て、再び海岸に出ます。「想い出岬」と名付けられたところまで歩いて行くと、駿河湾の向こうに富士山のみならず南アルプスの山並みまで見渡すことができました。真っ白な雪を被った北岳から始まり、悪沢岳赤石岳聖岳、光岳、そして深南部の山々まで長大な山並みが一望のもとです。駿河湾は深いところで水深2500m~3000mくらいはあるらしいのですが、そうすると富士山山頂や南アルプスとの高低差は多いところで6000mくらいあることになりますから、地形のスケールがものすごく大きい場所なのですね。そしてこの高低差が豊かな漁場を育んでいます。

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清水港で紹介されていた駿河湾の魚種と生息域

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想い出岬からは雲見温泉のすぐ側に聳える烏帽子山が良く見えます。烏帽子山は地形的には「火山の根」というものらしく、火山の下で冷えて硬く固まったマグマが、周りの岩石の侵食によって洗い出されたものだそうです。海に突き出した絶壁の山で、山頂からは富士山はもちろん、伊豆半島西海岸~南海岸が一望できます。

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ある冬の日、烏帽子山の急な参道を登り、最後の急な岩場を手すりにしがみ付きながら山頂へと登りました。山頂は飛ばされてしまいそうなほどの西風が吹き荒れていていました。断崖に打ち付ける荒波は、山頂の浅間神社に祀られている磐長姫が嫉妬に荒れ狂っているのを彷彿とさせるもので、ちょっと恐怖を覚えるものでした。この烏帽子山は標高162mほどですが、展望抜群でとても登りごたえのある山です。

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入間千畳敷

松崎からは南下して入間千畳敷石廊崎に向かうのも良いですし、北上して堂ヶ島の奇岩を楽しむのも良いです。

伊豆で過ごす休日は本当にリフレッシュできるのでおすすめです。