休学中の記録

雪国の山菜を食べる

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雪国の春は山菜の宝庫です。山菜の独特な香りやほろ苦さはとても魅力的で、普段栽培作物中心の生活を送っている私達の食に野生味や季節感を与えてくれます。今回は雪国の山を歩きながら、思いがけずたくさんの山菜に出会うことができたので簡単に記録しておこうと思います。

 

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棚田の斜面にはたくさんのワラビが生えていて、地元のおばあちゃん達が採集にいそしんでいました。

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山に入ると湿り気のある場所にコゴミがまとまって生えている場所がたくさんあります。

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集落の軒先にはコゴミが干されていました。大量に取って、保存食にするのかもしれませんね。

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ある大きな滝の横の斜面には、見事なウルイの群落がありました。ウルイは味にはクセがあまりないですが、少しヌメリがあって、おひたしなどにするとおいしいです。

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また、ブナ林を歩いているとコシアブラの新芽を見つけました。香りのよい山菜で、天ぷらや混ぜご飯にして食べるのが好きです。

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田んぼの脇にオオアマドコロを見つけました。私は知床斜里の居酒屋でオオアマドコロの辛子マヨネーズ和えを食べたことがあります。新芽はアスパラガスのような食感でとてもおいしい山菜です。

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こちらはゼンマイでしょうか。かつてゼンマイは雪国の貴重な現金収入源で、時期になると山奥に小屋掛けをして長期にわたって乾燥ゼンマイを作っていたそうです。

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さて、今回は市場で山ウド、コゴミ、赤コゴミ、ウルイとミズを購入しました。ミズはあまり聞きなれない山菜ですが、聞くところによると細かく刻んで山形の郷土料理「だし」にするととてもおいしいそうです。

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買った山菜は、コゴミの和え物(胡麻和え、辛子ツナマヨ和え)、赤コゴミの豚肉炒め、ウルイの辛子酢味噌和え、ミズの胡麻油炒めにしました。コゴミは和え物にしても良いですし天ぷらにしてもおいしいです。量も多く取れるので、雪国の食生活を支える山菜です。

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一番楽しみにしていた山ウドの天ぷらは、片栗粉の比率を間違えたのか、カラッと揚がらず大失敗でした...。でも、失敗しても香りは一級品でした。そして写真には撮っていないですが、山ウドは皮はきんぴら、葉も天ぷらにして楽しむことができました。

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...山菜は現代の私達にとっては珍しいもの、高級品、なのかもしれません。しかし本来は食料条件が厳しい山里に暮らす人々が、生活の必要に迫られる中で苦労に苦労を積み重ねて利用法を編み出してきたものなのだと思います。その先人たちの努力に敬意を表しつつ、毎年食べる機会を作りたいなと思っています。