貴州のトン族集落を訪ねて(高仟村)

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雨の多い貴州にはどこか燻んだ色合いの家々がよく似合う。
黑褐色的舊木屋綿延堆疊 呈現出壯觀又平靜的景色

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棚田は水を張って周囲の景色を映しこむ時期が一番綺麗だが、冬の菜の花もまた綺麗。
在尚未放水的時候,油菜花就是梯田的主角。

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トン族の集落の中心を成す鼓楼の内部には火を囲んで四方に長椅子が配置されており、老人達が優雅に煙草をふかしながら談笑している。
侗寨以鼓樓為中心 小孩在鼓樓周邊撒開歡兒地跑來跑去 老人家窩在裡面圍著火塘取暖

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トン族の重要な風俗の一つに闘牛がある。
兩隻牛衝向對方 觀眾也興奮起來

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芦笙という竹で作られた管楽器は貴州をはじめとするトン族、苗族居住地域で多く用いられる。パイプオルガンに似たような独特な音色でテンポの良い演奏が行われ、お祭り気分を盛り上げる。
http://museum.min-on.or.jp/collection/detail_K00176.html
蘆笙齊奏為鬥牛增添一份歡樂的氣息 獨特的旋律依然在耳邊回響

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「牛王」が次々と闘牛場に運び込まれる。今回は46頭の参加。
牛王即將要進賽場了

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道路が開通し交通条件は劇的に改善された。しかしそれでも橋のない道路の対岸の集落は時間が止まったような佇まいで、住民達は道路と家の間を依然船で往復している。
柳江左岸的國道321號經過近年的拓寬工程,交通變得便捷快速,但是右岸的村寨仍然保留著以往的樣貌。河畔到處遍佈還沒有建橋的老村,當地人通常搭車搭到對岸,然後再換乘船才能回到自己的家

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 高仟村。鼓楼から煙が立ち上る。

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全てが木でできているトン族の集落の大敵は火災である。鼓楼の前に配置されている池は消防設備としての役割を果たしているそうだ。
鼓樓前面的水池作為消防設施

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棚田が描く等高線
在缺少平原的貴州山區,幾乎每一座山都被開闢為梯田,形成一條條等高線

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現地トン族はバイクで林道のある地点まで移動し、そこから森林に入って山野草や薪を採集し、また家に戻っていく。
どのような植物を利用し、その利用領域は集落民の間でどのように調整されているのだろうか。
當地居民的山林利用模式就是機車騎到某一個路段,走進道路兩旁的森林裏採野菜與木柴之後,把它拿回來捆在後座

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トン族は煙草をこよなく愛する。老人達が使っているパイプは一種の芸術品とも言えるものである。

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道を尋ねたトン族のおじさん。
侗族老人抽烟,動作十分熟練,表情有種滄桑感

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冬天的梯田雖然沒有生機,但是形成的幾何花樣還是十分優美 

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貴州の名物料理の一つに「牛瘪」がある。
牛の肉や内臓を生姜や唐辛子、花椒と一緒に炒めて塩を振りかけ、最後に牛の胃腸の内容物の液体を鍋に注ぎこんでグツグツ煮れば完成。貴重な写真は卒業式の日に失くした携帯電話と共に消失した。

黔東南不能錯過的名菜是牛瘪。
牛瘪的做法非常驚人。將肉、姜與花椒先爆炒之後倒入牛的胃腸內容物再煮開,浮上來的一層雜質除掉之後就可以吃。我當時拍整個過程的影片,後來那個珍貴的資料跟手機一同丟失了

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闘牛は決して一方をやっつけるまで闘われるものではなく、勝負が決すると縄が双方の脚に括りつけられ、数人がかりで引き離しにかかる。
鬥牛并不是兩隻牛打到死,一旦分出勝負就要拉開隔離冬天的梯田雖然沒有生機,但是形成的幾何花樣還是十分優美 

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秧里村

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男性と女性が一緒に群れることはなく、男性は男性、女性は女性で火を囲む

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これは一体・・・・?

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集落の端の方には高床式の家畜小屋がある。地階の板で囲まれた空間に豚や牛が飼われ、2階には飼料が貯蔵されている。
寨邊簡單蓋的高脚屋兩層樓,通常底樓為用來養豬和牛,樓上放穀物飼料

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鼓楼の門は閉まっていて、中で集落の老人達が談笑している。中に入るのには少し緊張感がある。
鼓樓的門口被關閉起來,要推門走進鼓樓需要很大的勇氣

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現代において「国家」はまず領土の範囲を画定する。そして調査事業を通じてその領域の中に住む雑多な人々の生活の可視化・体系化を進めていく。そして教育を通じ「近代的、文明的」でない習俗については適正化が行われる。こうした「文化の可視化・体系化・適正化」という一大事業が済んだ後、それぞれの「文化」は、国家の多様性を構成する貴重な文化の一部として「保護」され、またそれが国威発揚の道具となっていく。こうして「中華人民共和国を構成する多様な文化」の一部としてのトン族の「伝統文化」が誕生し、宣伝されるようになる。

東大生から始まる小さな試みについて

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 金沢の友人O君が東京にやってきたので、久しぶりにみんなで集まって飲もうという話になった。「みんな」と言うのはO君父が市から使用許可を得ている白山麓の山小屋に(スキー場の営業停止と共に使い手がいなくなったレストハウス跡を遊び場として有効利用している)、毎年四季折々の自然を楽しもうと遊びに行っていた東大生面子のことである。僕達は休みが訪れるとO君・O君父やその友人達の案内の下、周辺の山々で春は山菜、夏はイワナ釣り、秋はきのこ採りを楽しみ、冬はエアボードやかんじきハイクをしたりして楽しい時間を過ごした。

f:id:toyojapan1:20160816100329j:plain 長靴を履いてブナ林に囲まれた渓流に入り、イワナを釣って刺身に捌き、舞茸を採って天婦羅にし、わさび菜を刻んでお浸しにし、かんじきを履いて雪に埋もれる山の中に動物の足跡を探し、所謂「登山」ではない「山の生活」に触れるきっかけを作ってくれたのが彼らだった

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舞茸発見現場

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これからイワナを捌くところ

 O君は今年3月に大学卒業後、院に進学もせず所謂就職もせず、高校生や大学生を対象に自然体験活動を主催したり講演活動をしたり、「自然の家」の臨時講師をしたり、狩猟免許を取ったりと破天荒な生き方をしている。

 そして彼がそれらを通して実現させたいのは、自然教育を通じて社会を変えることである。つまり、将来の日本を担う学生達に受験勉強に代表されるような与えられた価値観を受け入れるのではなく「ちゃんと考える人」になってもらいたい、というのである。自然の力を借りることで学生達は自分たちが生きている学校内部の世界や価値観が如何に限られたものであるかということに気づくことができ、その外の世界の広さを知る事ができる。そしてその結果自分の将来に対してより能動的な選択をすることができるようになる、というのが彼の思想だと僕は理解している。

理念|自生塾

 僕自身は「日本の将来のために」というような志向は年を追うごとにどんどん減っていっていて、どちらかというと如何にして自分が1億2700万人いる日本人社会の中で埋もれずに生きていき(即ち、収入や地位によって規定される階層システムの価値観から脱却し)、そして他の人と生き方をずらしながら「自分だけの人生」を構築できるのかということに関心が向いている。ただ、彼は(多分)自分でオリジナルな人生を実践しようとすると同時に、他人にも人生に多様な可能性が存在することを啓発しようとしているのだと思う。

 結局近況報告くらいしかできなかったけれど、頑張っているようで何よりだった。僕は卒業論文の「忙しさ」にかまけて何もできていない1年だったなぁと思うと後ろめたさを感じる。それはそうとして、O君が石川から持ってきてくれた海の幸で乾杯をするのはとても幸せだった。

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コウバコガニズワイガニの雌のことを石川や富山一帯ではこのように呼ぶらしい。すし酢:醤油=2:1で食べるのが一番美味しいという友人の勧めに沿って食べる。海ぶどうのような外子(左手前)と濃厚な味の内子(上写真の甲羅の中のもの)が非常においしい。

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個人的には、ほたるいかは沖漬よりも素干しがすきである。ほたるいかを石川で「いしる」と呼ばれる魚醤に漬けてから干したものであるが、非常に酒に合う。

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絶品のほたるいかスモーク。素干しは素干しで大好きだけれど、わたの感触が残っているこちらも美味しい。

来年もまた石川に行けると良いなぁ。

  • おまけ

f:id:toyojapan1:20160816100310j:plainアサギマダラ。渡りを行う綺麗な蝶である。O君父は、石川の山中でマーキングしたものを喜界島で捕獲したことがあるという。アサギマダラは台湾北部の陽明山国立公園でも沢山見かけたので、もし同様にして日本から台湾まで渡りを行う個体を自分で発見できたら面白いなぁと思う。

f:id:toyojapan1:20160816100357j:plain自分達で釣ったイワナを塩焼きにする。遠火でじっくりじっくり焼くのは非常に長い時間を要する。ビールを飲みながら気長に待つ。

 

秋田のハタハタを食する

通訳案内士試験の試験会場をなぜか関西にしてしまったので、試験を受け終わったその日に奈良の実家に帰った。すると折よく秋田の親戚の家からハタハタが大量に家に届いていたので、狂喜して食べることにした。

だいたいうちの家族は母親を除いてあまり魚を好まないので、嫌いな人に食べさせるくらいなら自分ができるだけ多く食べた方が魚のためにもなるというものである。

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通訳案内士試験(英語)のための効率的な英語勉強法

 11月末にふと予定表を見ると12月4日に通訳案内士(英語)の二次試験の予定が入っていることに気づいた。昨年は12月中旬にあった記憶があったので、もう少し先だろうと油断していたらあっという間にやってきた。

 最近英語に触れる機会が学業・趣味を通じて全然無くてかなり不安だったので、とにかく試験現場で恥をかかないように直前の詰め込み勉強で間に合わせる方法を考えた。

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Lake Haweaの休日(Holidays in Lake Hawea)

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ニュージーランド南島、サザンアルプスの東側山麓には氷河湖が列に並ぶように連なっている。テカポ湖、ワカティブ湖、ワナカ湖、プカキ湖などは観光地として有名であり、特に僕が滞在した春節の時期は中国人観光客が多かった。ところがハウェア湖は、有名なワナカ湖のすぐそばにあるにも関わらず本来の静けさを保っている。

Serpentine Rangeの旅を終えた僕は、休養を兼ねてこの湖の畔のLake Hawea Hotelにテントを張って滞在した。そして、湖水浴に周辺のハイキングにと充実した日々を過ごした。

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