休学中の記録

世界の山

桜島のある風景

高校2年生の時、友人と九州を一緒に旅行しました。青春18きっぷを使った旅で、神戸港から夜行フェリーで大分港に入港し、大分からは阿蘇、人吉、鹿児島、枕崎と旅をつづけました。 私も友人も個人主義的なところがあって、旅の始まりと終わりの数日間は一緒…

大台ヶ原の苔の森とキノコ

私の地元は奈良で、高校時代にはよく父親と一緒に奈良の山を歩きました。特によく覚えている山はシロヤシオの時期の三峰山、紅葉の時期の行者環岳や樹氷の明神平などで、今思い返してみると、奈良は四季折々に色んな山を楽しめる恵まれた環境でした。そして…

富士山御殿場口の双子山とフジアザミ

先週末、随分久しぶりに富士山に行きました。山頂には行かなかったのですが、視点を変えてこれまで行ったことのなかった御殿場口、須走口の登山口の周辺を歩きまわりました。

尾瀬ヶ原のトンボ

尾瀬ヶ原はミズバショウやニッコウキスゲ、草紅葉など、季節に応じて様々な植物の移り変わりを楽しめますが、それに加えて色々な生き物が見られるのも魅力の一つです。 7月中旬に訪れた時は、湿原を飛び交うトンボ達の色鮮やかさに目を奪われました。 「日本…

蛇紋岩とウスユキソウ

先日、岩手県は北上山地の早池峰山に登りました。早池峰山は蛇紋岩からなる特殊な地質と、それに起因する特異な植生で知られています。特に早池峰山の南面は標高1,400mを越えたあたりで森林限界を迎え、標高1,900m超の山頂まで広がる岩塊斜面の合間を縫って…

最南端のエゾツツジ

日本の山を歩いているとツツジ属(Rhododendron)の植物によく出会います。ツツジ属の植物にはハクサンシャクナゲやミヤマキリシマなど、登山者に人気の高い植物がたくさんありますが、私がその中で一番好きなのはエゾツツジです。 大雪山のエゾツツジとチシ…

初夏の箱根の山と森を歩く(金時山と芦ノ湖)

4月28日に開通したばかりの「はこね金太郎ライン(神奈川県道731号線)」を使って、金時山に登りに行きました。往復1時間半の道のりですが、箱根の初夏を存分に楽しむことができました。 新しくできた見晴パーキングに車を停めると、そこは既に標高800mを超…

雪国の春の林床を彩る花々

GWは人込みを避けて雪国の山を歩いていました。この時期の雪国の山は木々が明るい色の新芽を芽吹かせ、林床には色とりどりの花が一斉に咲き始めます。 雨が降ることも多いのですが、しっとりと濡れた新緑と林床の花々も生命力に満ちて魅力的です。そして雨が…

きのこの観察記録とおすすめ書籍

前回の記事では、きのこ観察の魅力について紹介したのですが、ここからは私が実際に観察したきのこを紹介していこうと思います。 奥深いきのこ観察の世界 観察したきのこ おすすめの書籍

きのこの観察の魅力について

最近、きのこの観察を始めました。きっかけは、昨年秋に上高地でたくさんのきのこを見かけたことで、図鑑で調べたりビジターセンターの職員の話を聞いたりしているうちに、いつの間にかその魅力に取りつかれていました。 まだまだ足を踏み入れたばかりで知ら…

タラナキ山の森とシダ植物

ニュージーランドはシダ植物の宝庫です。特に葉の裏側が白いシルバーファーンはニュージーランドの国章とでもいうべき存在で、ラグビー代表チーム「オールブラックス」のユニホームのデザインにも使われていますし、ニュージーランド航空の機体にも大きくシ…

ニュージーランドの山で出会った鳥

ニュージーランドは大陸から長く隔絶された歴史を持ち、固有の生物相を持っています。鳥類についても固有種がたくさん棲息しており、飛べない鳥である「カカポ」や「タカヘ」などはその中でも特に有名でしょうか。一方、ポッサムやオコジョなどの外来哺乳類…

千島列島の名前を持つ高山植物

日本の北海道や中部山岳の高山には「ウルップソウ」「シコタンソウ」「チシマキンレイカ」のように千島列島の名前を冠する植物がたくさん分布しています。 シコタンソウ(Saxifraga bronchialis subsp. funstonii var. rebunshirensis) 南アルプス・悪沢岳…

琵琶湖をめぐる風景と食

先日、滋賀県高島市の蛇谷ヶ峰という山に登りました。 私は個人的に琵琶湖の湖西地方がとても好きで、高校生の時から頻繁に訪れています。特にJR湖西線の高架から見下ろす湖と山の風景はお気に入りで、青春18きっぷで関西から北陸方面に旅行する時は必ず湖…

八丈富士登山と植物観察

八丈富士(標高854m)は八丈島の西部に聳える活火山で、伊豆諸島の最高峰です。山頂部には直径400mほどの巨大な火口があり、360度の展望を楽しみながら一周1時間ほどのお鉢巡りを楽しむことができます。今回は植物観察をしながら八丈富士の登山道を歩きまし…

江田島の登山と瀬戸内海の景色(クマン岳~古鷹山)

瀬戸内海の島には海の展望が得られる山が多い。晴天率が高く、冬の時期には陽だまりハイキングが楽しめるのがうれしい。有名どころでは、宮島の弥山(標高535m)や、寒霞渓の紅葉などでも有名な小豆島の星ヶ城山(標高817m)などがあるが、今回訪れた江田島…

雌阿寒岳登山と秘湯野中温泉(オンネトー野営場泊)

旭岳~トムラウシ縦走登山の続き。少し気分を変えて日記風に記録を書いてみる。トムラウシから下山して「国民宿舎 トムラウシ温泉東大雪荘」に泊まった。

旭岳~トムラウシ山縦走:「神々の遊ぶ庭」の動植物

北海道の山の魅力は広大な高山帯にある。そしてその高山帯に分布する植物は遠く千島列島・サハリン・カムチャッカやアラスカまで分布域を持っていることが多い。北海道の山を歩くと、植物の分布を通じてまだ見ぬ遥か北方の地に思いを馳せると共に、植物が地…

残雪の蔵王熊野岳と温泉の旅

嫁の姉カップルが仙台行の格安航空券を手に入れたということを聞いたので、合流して一緒に遊ぶことになった。仙台の青葉祭りの時期に合わせてということだったけれど、せっかく5月の良い時期に東北に来るので祭りはスキップしてもらい、レンタカーで残雪と新…

錦秋の越後駒ヶ岳

魚沼盆地の東側に連なる越後駒ヶ岳、中ノ岳、八海山は、総称して「越後三山*1」と呼ばれている。近隣の谷川岳や尾瀬と比較して訪れる登山者は少ないが、鋸歯形の岩場から成り信仰の山として長い歴史を持つ八海山、深田久弥の日本百名山にもリスト入りしてい…

黒部川源流の山々(薬師岳・黒部五郎岳・赤木沢)

昔から地図とにらめっこしながら旅行計画を立てるのが好きだった。ワンゲル部に所属していた学生時代は、扇風機しかない熱気の籠った部室の中で、一人で過去の部員の山行記録集を漁りながら計画を練っていると時間がいくらでも過ぎて行った。そうして作り上…

水芭蕉満開の尾瀬

梅雨入り前の6月上旬、両親と妻と一緒に尾瀬に行ってきた。 ダケカンバの新緑と深緑色のオオシラビソからなる針広混交林に囲まれた湿原は、白色の水芭蕉、黄色のリュウキンカ、薄紫色のタテヤマリンドウと桜色のタカネザクラに彩られており、郭公や鶯などの…

北朝鮮全土の地形図を閲覧できるサービスが台湾中央研究院によって整備されていた

以前、北朝鮮における登山について上記の記事を書いた。当時大学4年生であった僕は、来るべき社会人生活や卒業論文執筆から目を背けるように大学図書館にあった日本統治時代の北朝鮮(当時は「北鮮」と呼ばれていた)の登山資料を読み漁り、時の流れに逆らい…

那須の温泉山行(三斗小屋温泉~坊主沼避難小屋~甲子温泉)

4年前の初秋、八幡平の葛根田川~大深沢の沢旅を終えた僕は、JR東日本・北海道パスを使って東北地方を鉄道旅行した。最終日の朝、名残惜しさを抱えながら東京に戻る車窓の中で、ひと際目立った山塊があった。当時はそれが安達太良なのか、日光なのか、はたま…

西丹沢縦走(西丹沢ビジターセンター~山中湖平野)

3月の丹沢は冬と春が同居している。 標高の低い場所ではミツマタの花も咲き、春の訪れが随所に感じられる一方で、早朝の稜線上はまだまだ冷たい風が吹付ける。木々には真っ白な霧氷が付き、凛とした張りつめた空気が感じられる。かと思えば昼になると暖かい…

白馬岳と高山植物(Japan Alps~Paradise for alpine plants)

Hakuba is famous for skiing in winter season, but only few people know that it has a different charm in the summer season. Actually, mountains in Hakuba(白馬岳: Shirouma-dake) in summer season is known by Japanese for the the density and d…

Lake Haweaの休日(Holidays in Lake Hawea)

ニュージーランド南島、サザンアルプスの東側山麓には氷河湖が列に並ぶように連なっている。テカポ湖、ワカティブ湖、ワナカ湖、プカキ湖などは観光地として有名であり、特に僕が滞在した春節の時期は中国人観光客が多かった。ところがハウェア湖は、有名な…

北朝鮮における登山について

かつて大日本帝国がその版図をアジア各地に拡張していた時代があった。日清・日露戦争に勝利して台湾・南樺太を領有し、朝鮮を併合し、満州にも手を伸ばした。当時、これらの「外地」で山林の調査・踏査を行った学者達は、現地の人文地理、自然地理に関する…

紅葉最盛期の谷川馬蹄形縦走

上越国境の山々は、これまで朝日岳~巻機山、丹後山~利根川源流の山々、仙ノ倉山方面など数多くの場所を歩いてきた。その中で有名でありながら空白地帯になっていたのが白毛門から谷川岳までの馬蹄形縦走だった。ちょうど紅葉最盛期という情報もあったので…

マウントアスパイアリング国立公園(Lochnagar loop)

ニュージーランド最後の山行。今考えれば、もう少し趣が異なり植物相も豊かなWest Coast側の山を歩けば良かったのかもしれないと思うがそれは仕方がない。今回はRaspberry CreekからCascade Saddleのクラシックルートを歩いた後、Rees SaddleからSnowy creek…