休学中の記録

ハノイの街角と雑踏

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以前から海外に行く時は最低でも1ヶ月の時間を取っていた。その背景には、折角なかなか行けない海外に行くのだから、すぐに帰ってきたら勿体ないという潜在意識があった。

けれどもこの5年、LCCの就航ラッシュで、アジアの都市が時間的にも金銭的にもどんどん近くなってきた。今まで遠くに思えていた場所が、あっという間にアクセスできる休暇旅行先に変わってしまった。

そんなこともあって、今回は休暇のような形で高校以来の友人と一緒にハノイへ3泊4日で旅した。バイクと人の波を縫って歩き、ビールを相棒にグルメを食べつくし、食事の合間を縫って名所旧跡をハシゴした。

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朝早起きして、早速ハノイ食べ歩きツアーを開始する。ハノイの街中には歴史ある寺院が数多く分布している。面白いのは寺の門に書かれている文字が漢字であることだ。19世紀後半にフランスによる統治がはじまりローマ字表記法が導入される以前のベトナム人は漢字、漢文を使用してきたのである。

f:id:toyojapan1:20170603161045j:plain 1日目の朝食はバインダークア(Bánh Đa Cua)。もともとはベトナム北部・ハロン湾にほど近いハイフォン発祥の料理だそうだ。さとうきびが練りこまれているという茶色の麺はコシが強く、スープは蟹(Cua)の出汁がほのかに香って美味しい。トッピングは蟹のすり身や青菜、油揚げ、さつま揚げ(のようなもの)など。とても優しい味がするので朝食にもぴったり。

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ベトナムの街角には喫茶店がたくさん見られる。雰囲気のよさそうな喫茶店に入った。

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ベトナムのコーヒー生産量は世界二位。それでも産地としてのブランド力に劣るのだろうか、ほとんどがブレンドコーヒーとして市場に出回るため、ベトナムがコーヒーの一大産地であることが消費者の我々に認知されていないところがある。ただ現地では至る所でコーヒーが嗜まれており、コーヒー文化が根付いていることは間違いない。

特に有名な大手コーヒーメーカーはTRUNG NGUYEN COFFEE。バニラの甘い香りが漂うコーヒーが気に入り、帰国前にハノイの直営店で沢山お土産に買った。

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美味しい朝ご飯とコーヒーですっかり満たされた気分。朝の清々しい空気を感じながら市内散策を開始する。

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こちらは鎮国寺。ハノイで最も古い寺院とされている。湖のほとりに半島状に突き出る形で建っており、とても風光明媚な場所である。

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昼食はブンチャー(Bún Chả)。

ブン(Bún)はベトナムの代表的な麺であり、フォー(phở)と同じく米粉を原料として作られている。ツルツルとのど越しの良いフォー(phở)とはまた違って、少しもちもちとした食感が特徴だ。

このブン(Bún)を、ヌックマム(魚醬の一種)をベースにした少し甘酸っぱいつけだれに絡め、香ばしく焼かれた肉と生野菜・香草と共に食べる。そして昼からハノイビールで乾杯。

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昼食を終え、再び散策開始。昼下がり、オープンエアの素敵なカフェを見つけたのでまたコーヒー休憩をした。

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非常に濃厚なコーヒーに練乳を入れて飲むのがベトナム式。

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夕方には小腹が空いたので、屋台でブンオック(Bún ốc)。

オック(ốc)とはタニシのことでありコリコリとした食感が癖になり美味しい。

紫蘇のような風味のする香草をバスケットから鷲掴みにしてワサっとお椀に投入し、揚げパンをスープに浸しながら食べる。ライムは既に切り込みが入っているので、スプーンの上で絞って果汁を出し、スープに投入。一連の動作に慣れてくると自分が現地人になったような気がして嬉しくなってくる。スープは非常にやさしい味で、特にアルコールが蓄積された身体にとてもよく効く。

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夜の街も活気でいっぱい。そしてみんな何だか楽しそう。

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夕飯はチャーカー(Chả Cá)。こちらはハノイ発祥の料理で、ナマズ科の白身魚に下味をつけて油で揚げ、ネギや香草の類と一緒に炒めて作られる。最後に熱々のチャーカーを、ブン(Bún)とナッツ、パクチーなどと一緒に掻き込む。かなり美味。

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そして締めにはハリダビールで海鮮鍋。とても充実した一日が過ぎていった。

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ある日は朝早く列車にのってニンビンへ。駅前で自転車を借りてあちこち回った。こちらは新しい時代を切り拓くドイモイ号。

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またある日は世界遺産ハロン湾のツアー。天気にも恵まれてまさに絶景。カヤックに乗って水面から絶壁を見上げたのは忘れられない思い出になった。日帰りのツアーが多いが、是非1泊2日にするべきだというのが感想だ。

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街中に戻って、今度はフランス統治時代に建てられたオペラハウス。フランス統治時代の名残としては、その他にステンドグラスが美しい大聖堂もあったり、バインミー(Bánh mì)と呼ばれるフランスパンを使ったサンドイッチ屋がたくさんあったりする。

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そしてようやく食べた定番のフォー・ボー(Phở bò)。牛肉は完全に火は通さず半分レアのような形で提供されるが、それがとても美味しい。ビールはビアハノイ

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食事をするときに座るのはいつも小さくて低いプラスチックの椅子。溶樹の木と夜明かりに灯される寺院の雰囲気が気に入ってシャッターを押した。

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そして最終日。朝食は地元に人達に交じって小さな路地の中で。

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朝から香草増し増しで元気いっぱいである。

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最後に訪れたのは文廟(孔子廟)。これまで北京や台南をはじめ様々な孔子廟を訪れてきたが、建物の風格やまわりを取り囲む緑の木々など、ハノイのものが一番気に入った。

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ちょうどシーズンなのだろうか、中は卒業記念写真を撮る学生達で埋めつくされていた。アオザイを着た女性たちはとても爽やかで綺麗だ。そしてそれと対比して前列に並ぶちょい悪風の男子学生達が少し微笑ましい。卒業おめでとう。

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アオザイには白だけでなく色んな色があるようだ。体のラインが強調されるが、ベトナムの女性に肥満体系の人は少ないのでこういった服がとてもよく似合う。

ハノイは是非またリピートしたい素敵な街だった。

 

2冊目のハノイガイドブック

2冊目のハノイガイドブック

 
 

その後ハノイから中国の南寧まで夜行列車に乗り、北上して貴州や桂林を訪れた。せっかくベトナムに行ったのだから、南下してフエ・ホイアンと旅行すればよかったかなぁ...とも思うけど、それはまた次回に取っておこうかな。