「福島市」にはこれまで全然イメージが無かった。今回行ってみて驚いたのは、山がとても近いということだ。朝起きて天気が良いと、吾妻小富士の火口もくっきりと見えていて、「ちょっと山の上まで行ってみるか」というような気分にさせてくれる。
福島の街から磐梯吾妻スカイラインを浄土平まで上がると、既に標高は1500mを超える。ここから東吾妻山や一切経山、五色沼などの方面に縦走することもできる。今回は駐車場からすぐの吾妻小富士を登って火口を一周した。
火口の縁に出ると福島盆地が一望できる。福島は山に囲まれ、果樹栽培が盛んな盆地だが原発事故で少なからぬ風評被害を被った。
小富士の火口は思ったより大きかった。空が暗くなる前に下山し、高湯温泉の共同浴場まで。吾妻連峰の山麓には温泉が多く、時間さえあれば温泉をつなぎながら縦走することができそうだ。高湯温泉のパンフレットを見ていた中で特に気になったのは「ぬる湯温泉旅館二階堂」で、湯治プランもあるみたいなので次回はそこを拠点にして歩いてみたい。
2日目は安達太良山まで。紅葉シーズンには二本松駅から奥岳(安達太良山登山口)まで直通バスがあるし、二本松温泉から岳温泉まで行き、そこでシャトルバスに乗り換えて奥岳まで行くこともできる。今回は直通バスの時間に間に合わなかったので行きも帰りも岳温泉経由。岳温泉で30分から1時間ほど接続の待ち時間があったが、バス停は寒いので、観光案内所でソファに座って「山と渓谷」などを読んだり豆腐屋で「酒粕豆腐」を食べてゆっくりしたりしながら時間をつぶした。
日帰りで時間もないので、ロープウェイで一気にワープして1時間強で山頂まで。
山頂には三角点と祠と八紘一宇の石碑。
鉄山方面まで縦走すると、沼ノ平の爆裂火口とその向こうに磐梯山を望むことができる。
安達太良山から下山すると渓流沿いの遊歩道を通る。安達太良山の沢の渓相が良く、石筵川などいつか行ってみたいけれど、いつになるだろうか。沢に行かなくなってから久しい。
福島の街に戻って、市内の「山女」で円盤餃子。
一緒に頼んだイカ焼きもおいしかった。福島の地酒のセレクションも多いので、ししゃもやイカ焼きなどを肴に飲むのも良い。
最後は福島交通の飯坂温泉まで。乗り場の感じがとてもレトロで富山地方鉄道を思い出す。飯坂温泉自体は閉業した宿泊施設も目立ち、時節柄か閉まったお店も多く寂れたイメージが強かったが、共同浴場の中で総ヒバ造りで最も歴史の古い「鯖湖湯」の雰囲気はとても良かった。
今回は3連休を最大限活用するために、金曜の夕方に新宿発のバスで夜遅くに郡山に着き、火曜の早朝の新幹線で福島から東京に戻ってそのまま仕事に出た。福島の良いところは東京から意外と近くて格安のバスも出ているし、えきねっとを活用すれば安い新幹線チケットも取れることだ。山あり温泉あり、そして美味しいグルメもあるので週末トリップにはぴったりな場所と言えるだろう。