先月初め、秋田駒ヶ岳に登りました。
八合目までの登山道路はシーズンになるとマイカー規制がかかるのですが、その自動車とバスの乗り換え地点となっている場所に「アルパこまくさ」という素朴な温泉施設があります。周囲の山々の展望が開けていて、広い駐車場からは夜は満点の星空、朝は深い青色の水を湛える田沢湖を望むことができます。
今回は朝一に「アルパこまくさ」からバスに乗って八合目へ向かうため、駐車場で車中泊する計画を立てました。
まずは盛岡の食道園で冷麺と焼肉で腹ごしらえし、レンタカーで一路西へと向かいます。県境を越え、田沢湖駅近くのスーパーで食料を調達してから外に出ると、それまでどんよりとしていた雲が晴れて青空が覗きました。
広々とした田園風景と優しい山々。目指す秋田駒ヶ岳はまだ雲の中ですが、この景色を見ただけでもはるばる秋田まで来た価値があったあったなぁと思いました。
まだ夕暮れまで時間があったので、田沢湖を車で一周することにしました。初めて見た田沢湖は吸い込まれそうな青色をしていました。
田沢湖東岸には広々とした浜が広がっています。サンダルのままで湖水に足をつけるとひんやりとしてとても気持ち良く、湖岸に吹く夕方の爽やかな風にはニュージーランド南島の湖畔の町Te Anauを思い出しました。
日が沈む前にアルパこまくさへ移動し、展望風呂からの景色を楽しみながら一日の疲れを癒し、外に出るとだんだん空が暗くなってきました。車内に戻ると特にすることも無いので、リクライニングをめいっぱいに倒してからKindleに入れてきた小説を読みました。真っ暗な車内を薄く照らすKindleの光。時々外に出ると空気はひんやりしていて星が綺麗でした。駐車場の車はせいぜい5台程度で、みんな早寝早起きなのか、とても静かな夜が過ぎていきました。
そして目を覚ますと清々しい朝がやってきました。
もう登山出発前から充実感に満たされてしまうようなロードトリップと車中泊でした。