休学中の記録

富士山ガイドの日々(Mt.Fuji)

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復学後、今年一年の目標を

①ガイドや通訳案内士として一人前に近づくこと

②傑出した卒業論文を書くこと

に定めた。 

就職は決まったから本来遊んでいても良いのだけれど、やっぱり社会に出る前に色々なスキルを身に着け、人生の選択肢を沢山残しておきたいと思った。要するに「会社が駄目なら研究者の道があるし、それが駄目でもガイドとして生きていくこともできる」という状態で社会に出たいということである。自分が生きていく場所が一つしかなければ、その場所で失敗した時に人生が詰んでしまう。元来組織で生きていくことを苦手とする自分にとってそれほどリスクの高いことは無いのだ。

そこでまず、7月下旬から8月上旬にかけて、富士山のある小屋に所属して登山ガイドとして仕事をすることにした。実働期間は2,3週間だったけれど、非常に濃密な時間を過ごすことができた。自分は感情の起伏が少ない人間なのだとずっと思っていたけれど、久しぶりに喜怒哀楽を強く感じたのは驚きだった。

ツアーが全くまとまらず、自分の言った指示やアドバイスが全て空に抜けていくような感覚を味わった日、フィードバックで先輩ガイドに「今回の仕事は全然駄目。ちゃんとガイドとしての仕事をしてください。」と厳しく指摘された時は悔し涙が止まらなかったし、逆に数々のトラブルを乗り越えて無事に五合目まで戻った時、お客様から「君がガイドで良かった」と言われた時は一日中嬉しかった。

辛い事も沢山あったけれどその度に何とか乗り越えることができたのは自信になったし、毎回違ったお客様の相手をして、かつ毎回自分の仕事に対して直接評価が返ってくるガイドの仕事は総じてとてもやりがいのあるものだった。また、偶然中華圏からのお客様が半分ほどを占めるツアーのガイドを担当することもあり、通訳案内士としても何とかやっていけるのではないかという手応えを掴むことができた。

お世話になった先輩ガイドの皆様や富士山に関わる全ての人には、この場を借りて感謝を伝えたい。

とても良い経験になりました。ありがとうございました。

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火口を経て最高峰剣ヶ峰

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刻々と姿を変える雲の波

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ヤマオダマキ Aquilegia buergeriana

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ムラサキモメンヅル  Astragalus adsurgens

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ヒメシャジン Adenophora nikoensis 

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ハクサンシャクナゲ Rhododendron brachycarpum

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トモエシオガマ Pedicularis resupinata var. caespitosa

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オンタデ Aconogonon weyrichii var. alpinum

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左に八ヶ岳と右に奥秩父の山々。奥秩父の山は、金峰瑞垣甲武信なんて言っても反応は薄いが、一帯が埼玉県、山梨県、長野県の県境になっていて、富士川・荒川・信濃川といった日本を代表する大河の源流となっていると説明すると興味を持ってくれる。

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日本最高地点・剣ヶ峰を三角点と共に

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富士山頂上浅間大社

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吉田口山頂の久須志神社

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視界の良い日に山中湖~丹沢の山々~相模灘